シャンパーニュとサーベラージュ
シャンパンのボトルを開ける時の方法の一つとして、「サーベラージュ」という言葉があります。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、長めの刀(サーベル)でシュッとコルク部分を鮮やかに切り落とす、なんとも華々しい演出。思わず見入ってしまいます。
この、「サーベラージュ」という言葉の語源。実は、フランス語の動詞で「sabler」と「sabrer」の2つあるんです。
よく、この2つのどちらが正しいの?という質問をネット上でも見かけます。
どちらが正しいのか、そして、その2つの言葉の違いも気になるところですね。
簡単に言うと、お祝いのためにボトルのシャンパンをみんなで飲む、ということと、刀(サーベル)でシャンパンボトルのコルク部分を切り落とすこと、という意味があるのです。
じゃあ、「サーベラージュ」の綴りとして正しいのはどれなの?という感じですが
こちらに関しては、現在は「sabrage」が主に使われている、ということになるようです。
この言葉や演出が広まった経緯を簡単にお伝えしながら、私たちのブログURLである「Sablage」という言葉が生まれた背景をお伝えして、私たちの想いが、これを読んでくださっているあなたに、伝わったらいいな、と思っています。
Sablerの語源(sabler de champagen)
少し昔にさかのぼって、17世紀、18世紀のフランス。
「sabler」は、シャンパンに限らず、すべてのワインにおいて、みんなでグラス一杯のワインを飲む、ということことを意味していました。
古いフランスの辞書である「Dictionnaire de la Langue Francaise(Pierre Richelet著)」でも、1つの使い方として、次のように記載されています。
「ナポレオンの側近であったLouis Constantは、彼の回顧録の中で、『Dorsenneは大晩餐会を行うことにした。ハンガリーとライン川のワインは大勢で一斉に飲まれ(sable)、その他のお酒が続いた』と記載している」
Richeletが作ったこの辞書は、百科事典を含む18世紀のすべての公式フランス語辞書によってサポートされているほどなので、とっても信用のおけるものですが、それでも19世紀の初め頃には、その定義はすでに変わってしまっていたようです。
フランス語の辞書であるLe petit Robertにも
「sabler le champagne」というのは、祝福のためにたくさんのシャンパンを飲むことを意味する、
と記載されていることから、どこかの時点で意味が変わってきたのだということが理解できますね。
つまり、みんなで飲む、ということから、たくさん飲む!ということへ変化してきたと言えます。面白いですね。
Sabrerの語源(sabrer le champagne)
つぎに、「sabrer le champagne」に目を向けてみましょう。
シャンパーニュをサーベラージュすることは多くの国の軍隊などでは、一般的と言っていいほどの伝統的な儀式としても捉えることができます。
そもそも「サーベラージュ」は、シャンパーニュを愛したナポレオン・ボナパルトが率いていた騎士団が、刀(サーベル)でシャンパーニュの先端を切り落としたパフォーマンスを行ったことが始まりと言われています。
ですが、より一般的なものとして発展させたのは、それに限らず、戦いから勝利を持ち帰ってきた、栄光に輝く各国の将校たちだったようです。
その栄誉を称えるため、危なくないように先が尖っていない刀で、シャンパーニュのボトルのトップ部分を切り落としたパフォーマンスをし、見ている人たちを感嘆させた・・・ということがあったとか。
それが、おめでたい時にシャンパーニュのコルク部分を刀で切り落とす、という今日の習慣となっていきました。
今では、シャンパーニュ好きな人の間では、お誕生日の人がいた場合、結婚式・・・などなど、さまざまなお祝いの場面で、サーベラージュの瞬間を見ることができます。
華やかなパフォーマンスが人々へ与える感動は、当時の人々が受け取ったそれと変わらず、より一層印象的で思い出に残る場面として、私たちに愛される演出の1つとなっているんですね。
シャンパーニュを楽しく=Sablage
「sabler」と「sabrer」それぞれの語源について、とっても簡単にお伝えしましたが、いかがでしたか?
その意味や違いを知って、より一層シャンパーニュの魅力を感じますね。
普通の日もハレの日に、おめでたい日をもっとおめでたい日にするシャンパーニュ。
大好きな人たちと、大切なシチュエーションで、シャンパーニュを楽しみたい、そしてそれぞれの人生の門出を一緒にお祝いしたい、という思いから、語源と発音を組み合わせて「Sablage」という言葉を造り、このwebサイトのURLに使用しています。
これからも「Sablage」を、どうぞよろしくお願いいたします。
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